本研究は、イノベーション・ネットワーク管理に関して異なるアプローチを用いた2つの研究を行った。第1の研究は、ネットワークにおける正当化の問題とイノベーションなどのネットワークの成果との関係に関する定性的研究である。第2の研究は、関係属性・ケイパビリティ・ガバナンスのあり方に関する定量的研究である。第1の研究から、周辺的なアクターの行為によるネットワークにおける正当性の喪失 がネットワークの成果に大きな影響を与える可能性が示唆された。第2の研究から、関係特殊的投資、不確実性、吸収能力 、垂直統合度がどのような関係をもち企業間関係の成果にどのように影響するかが部分的に明らかにされた。
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