本研究の目的は、価値共創ネットワークとQOLという2つの概念を中核とした地域マーケティング独自の研究枠組みを提示することである。本研究から、2つの点が明らかになった。1つは、地域マーケティング本質は企業と顧客との2者間関係からなる伝統的なマーケティングではなく地域の利害関係者に向けてのインターナル・マーケティングを前提とした社会的マーケティングにあるということ、である。もう1つは、姉妹都市交流に関するデルファイ法による調査から、認知的社会資本の形成は地域の価値共創ネットワークによって構築され維持されること、である。こうした発見は、地域マーケティングの独自な研究枠組みの構築に貢献したといえる。
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