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2016 年度 実施状況報告書

営業担当者の認知バイアスの研究

研究課題

研究課題/領域番号 25380587
研究機関広島経済大学

研究代表者

細井 謙一  広島経済大学, 経済学部, 教授 (30279054)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2018-03-31
キーワードセールスマネジメント / ネットワーク / 認知
研究実績の概要

本研究の目的は、営業担当者が取引ネットワークを構築し、維持する際の認知バイアス(以下ネットワークバイアス)の性質を解明し、そのバイアスに対処するための営業担当者の行動パターンを分析することである。営業担当者は境界連結者と呼ばれ、取引ネットワークを構築することで商流を生み出す役割を担っている。その過程にバイアスが入り込めば、営業活動の成果に少なからず影響が生じるはずである。本研究では、このバイアスの性質、帰結、バイアスに対処する方法などを解明することを目標としている。
本研究では、研究開始当初、インタビュー調査を中心に、ネットワークバイアスの実態の解明に取り組んできた。インタビュイーとなった営業担当者の多くは、ネットワークが営業活動の成果に影響を与えることを漠然と想定はしているものの、明確にそれを意識し、対策を講じているものはかなり少なかった。ましてや、ネットワーク構築の際に、バイアスが生じていると考えているものはかなり稀であった。
しかし、わずかではあるが、ネットワーク構造を明確に意識し、自らの営業活動に生かしている事例が得られている。理論の予想通り、ネットワークの隙間を橋渡しするポジションを得ることで、高い営業成果を上げている事例が確認された。本研究ではこうした成果を国際学会(Global Sales Science Institute)等で発表してきた。また研究会を開催し、この問題に関心のある研究者や実務家から、知見を得るべく努力してきた。
こうした活動から得た仮説を実証すべく、平成28年度にはアンケート調査を実施した。その結果、ネットワークバイアスの存在は確認された。ただそれが、営業の成果とどのように関連し、どのようにそれに対処していけばよいかということについては、十分な知見が得られなかったため、引き続きこの問題を解明すべく、研究を進めているところである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

理論研究、インタビュー調査、学会や研究会等での中間報告に対するコメント等をもとに仮説を立て、平成28年度にアンケート調査を実施した。これによって、本研究の最大の目的であるネットワークバイアスの確認を行うことができた。この点では、本研究は、研究目的をある程度達成したと考えられる。
ただ、このネットワークバイアスと営業成果との関連については、必ずしも明確な結果が得られなかった。ネットワークバイアスと営業成果との間の関係については、何らかの媒介変数による相互作用が認められることが当初から予想されていたので、それについても検証したが、必ずしも明確な調査結果が得られていない。
おそらくここには、研究開始当初想定していなかった何らかの要因が作用している可能性があり、残された研究予算によって、追加の調査を実施することとした。この点について万全を期すため、研究期間の1年延長を申請し、承認を得ている。こうしたことから、研究目的はほぼ達成されているものの、「やや遅れている」としている。

今後の研究の推進方策

平成28年度のアンケート調査で解明できなかった、ネットワークバイアスと営業成果との関連について、追加のアンケート調査を実施し、検討を行う。
ただし、すでに述べた通り、平成28年度のアンケート調査で、当初想定していた結果が得られなかったのは、研究開始当初には想定していなかった何らかの要因が作用している可能性がある。そこで、理論研究やインタビュー調査なども行い、アンケート調査の準備にも万全を期したい。
また、アンケート調査の結果については、研究会を開催し、この問題に関心のある研究者や実務家から知見を集め、研究成果のまとめにも万全を期したいと考えている。

次年度使用額が生じた理由

既に研究概要でも述べた通り、平成28年度に実施したアンケート調査で、ネットワークバイアスの存在そのものは確認できたものの、営業成果との関連について十分な検証ができなかった。この点について、再度アンケート調査を実施し、解明を図りたい。
これについては、研究開始当初には想定していなかった何らかの要因が作用している可能性が高い。そこで準備に万全を期すため、研究期間を一年延長し、平成29年度にアンケート調査を実施することとした。
今回、次年度に繰り越したのは、こうした事情から実施を先送りしたアンケート調査とそれに関連した準備と結果の整理のための費用である。

次年度使用額の使用計画

平成29年度に繰り越した予算は、主に追加のアンケート調査に使用する。また、アンケート調査の準備のための理論研究及びインタビュー調査、結果の整理検討のための研究会の開催にも予算を充てる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] How Social Capital Affects Sales Interaction2016

    • 著者名/発表者名
      Kenichi Hosoi and Kenneth Tsuye Ichiro
    • 学会等名
      Global Sales Science Institute 10th Annual Conference
    • 発表場所
      Aston Business School (Birmingham, U. K.)
    • 年月日
      2016-06-04
    • 国際学会

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公開日: 2018-01-16  

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