本研究はグローバリゼーションが進む状況における、会計基準のグローバル・コンバージェンスを巡る会計の利害調整機能の諸側面を主に考察した。国際的な会計制度構築にあたり、全ての目的に中立的な会計基準の策定は困難であることから目的を定めざるを得ない。この国際化の潮流の一方で、議論の俎上にのぼるのは情報提供目的の下、国際化がなされた会計基準と、会計の「二次的目的」と言われる役割が果たすべき機能との不整合とその調整プロセスであった。 本研究では会計・監査のグローバル化と会計諸制度との関係を、租税との観点、会社法との観点、企業経営との観点、そして会計専門家である会計監査人の資格との観点で考察を行った。
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