研究課題/領域番号 |
25380595
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
木村 彰吾 名古屋大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (10225039)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 管理会計 / 企業間関係 |
研究概要 |
本年度は、トヨタ自動車がヨーロッパにおいて現地サプライヤーおよび日系サプライヤーとの関係性をどのようにマネジメントしているのかという実態を把握するために訪問調査を実施することとし、トヨタ・モーター・ヨーロッパの技術担当副社長および調達担当副社長にヒアリングを行った。この調査の結果、ヨーロッパにおける製品開発の現状、現地サプライヤーからの調達の現状、サイマルテニアス・エンジニアリングの実践状況、製品開発におけるクロス・ファンクショナルなチームの状況、サプライヤーからのゲスト・エンジニア制度の運用状況、原価企画の実践状況と日欧の異同点、サプライヤーとの協働における日欧の相違点等について従来では不明であった事項が明らかにされた。この調査は、全体の研究計画においてファクト・ファインディングを目的とするものであり、有意義な知見が得られたので、その目的を達成したと考える。 また国内においては、先行研究や中小の部品メーカーの経営者のインタビュー記事等をサーベイすることとし、その結果、いわゆる系列メーカーが下請的業務から自社のコンピタンスを活用した部品や製品の開発を行っている実態が明らかになった。このことを踏まえて、特定の得意先と長期的な取引関係にあるサプライヤーとそうでないサプライヤーとの間でプロダクト・イノベーションやプロセス・イノベーションの面で差が生じるのどうかについて数理モデル構築のための仮説構築について検討も行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度はパイロット・スタディとしてトヨタ自動車およびグループ各社へのヒアリング調査を行うこととしており、本年度の訪問調査は、全体の研究計画におけるファクト・ファインディングと位置づけられる。この研究により、従来では不明であった事項が明らかにされた。
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今後の研究の推進方策 |
パイロット・スタディを踏まえて、ケース・スタディを実施する。調査対象企業はトヨタ自動車の他に、国内に本社を持つ製造業とそのサプライヤー(国内および海外)とする。また、企業間の協働によるイノベーションについて数理モデルを構築するとともに、計量的に分析する。
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度のケース・スタディは、調査対象企業との日程調整の結果3月末にヨーロッパへの訪問調査1回実施となったため。 繰越分については、国内外の部品メーカーへの訪問調査旅費ならびに研究成果報告のための学会参加等に使用する。
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