研究課題/領域番号 |
25380595
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
木村 彰吾 名古屋大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (10225039)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 管理会計 / 戦略 |
研究実績の概要 |
これまでの研究を踏まえて、企業間の協働が購買や製造などの業務だけでなく、プロダクト・イノベーションやプロセス・イノベーションでも行われていることに着目し、サプライヤーとの関係性をマネジメントする管理会計がイノベーションを生み出すことについて研究を行った。近年、オープン・イノベーションは企業経営だけだなく国家の産業政策・科学技術政策の点でも重要性を増している。サプライヤーとの関係性も外注先や下請から共同研究開発のパートナーまで多岐にわたっており、そのマネジメントには企業戦略と不可分と考えられる。そこで、本年度は、このことについて主として文献研究および国内の研究会や学会での情報収集を主とした研究を行った。その結果、以下の知見が得られた。 1.複数企業による製品の共同開発の場合、各社独自の原価企画(製品開発段階で実施されるコスト・マネジメント手法)は行われず部品別の目標原価が設定されるわけではないが、サプライヤーからの見積回答が妥当なレベルであるかどうかの査定が行われる。 2.サプライヤーから調達する部品についても、設計者は目標原価の達成における自らの責任を思いち考える傾向がある。 3.デジタル・エンジニアリングの導入によって迅速な製品検討が可能となり、研究開発期間の短縮などのメリットがある。サプライヤーもデジタル・エンジニアリングを導入していると、情報共有が進展し開発期間が一層短縮される。 4.先行研究ではオープン・イノベーションのために参加主体間の信頼の構築が重要であるとされるが、参加主体が原価計算等により「コストの見える化」を実現することによって信頼構築が促進される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度予定していたヒアリング調査が十分実施できなかったため、やや遅れていると評価した。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度は訪問調査を実施し、研究成果を学会等で報告し、論文にまとめる。
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次年度使用額が生じた理由 |
訪問調査及び研究打合せが予定どおり実施できなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
昨年度実施できなかった訪問調査よ研究打合せ、本年度予定されている調査を実施する
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