現在価値測定のための割引率に影響する投資リスクの尺度には、資本資産価格形成モデルのベータ値、および投資収益率の標準偏差がある。他方、投資リスクの決定要因として、財務諸表分析が提示する尺度には、売上高の変動性、損益分岐点に起因する営業レバレッジ、および資金調達源泉に起因する財務レバレッジがある。 本研究では、資本資産価格形成モデルのベータまたは投資収益率の標準偏差を従属変数とし、売上高変動性、営業レバレッジ、財務レバレッジを独立変数として含めた重回帰分析を実施したところ、独立変数と従属変数の間に、統計的に有意なプラスの相関関係の存在が確認された。
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