研究課題/領域番号 |
25380603
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
小津 稚加子 九州大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (30214167)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 会計基準設定主体 / フランス / グローバル化の影響 / IASB体制への対応 |
研究実績の概要 |
フランスの新しい会計基準設定主体である会計基準局(ANC)の発展を、組織の歴史的な変遷をたどり明らかにした。戦後から現代にいたるまでの組織変更を、そのような変化をもたらした環境変化と関連つけて考察した。1957年から1996年までの国家会計審議会の時代、1996年から2009年までの国家会計審議会と会計規制委員会の二層構造の時代のフランスの基準設定主体の特徴を確認したうえで、2009年のANC設置命令を経てANCという専門性が高く効率的な決断ができる体制に変化したことを明らかにした。その背景には、IASB体制の下でIFRS対応が十分にできていないという内部の危機感があり、これらが強い動機となっていることを内部資料に基づき解明した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通り進行している。すでに提出した平成25年度の研究実施計画4点のうち、1、2、4を計画通り行い、成果の公表に結び付けることができた。3.利害関係構造の代理変数としての各界を代表する委員の変化の調査は、次年度に持ち越す。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は、昨年度(2014年度)十分に研究できなかった公正価値の適用範囲、とりわけ個別基準への影響と変容について解明するとともに、引き続き、会計基準設定主体における利害調整機能(ステークホルダー重視がどのように変化しつつあるか)を研究する。
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次年度使用額が生じた理由 |
ごく少額であるが残額が生じた。有効に使用するため、次年度に繰り越した。
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次年度使用額の使用計画 |
研究計画に従い、来年度の使用予定金額に合算し、有効に使用する。
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