新しい会計基準設定主体である会計基準庁では、エビデンス・ベースの会計基準設定を志向し、研究者コミュニティとの緊密な関係の構築を会計基準庁が自ら主導しつつある。IFRS適用後のフランス会計基準設定主体の行動はフランスの基準設定の長い歴史において、これまでにない新しさがある。エビデンス・ベースであるよう奨励していること、研究テーマは時機を得たものであることが要求されている。 総括すると、かつての利害調整型の基準設定は見受けられなくなった。これに代わり、学術的知見の収集と研究者コミュニティとのネットワーク型に変容しつつある片鱗を見出すことができた。
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