平成29年度はベイジアンアプローチを基にした予測の合成について研究を進めた.具体的にはWinkler(1981)らによる,複数の予測値から予測値を合成する手法を採用し,経営者予測とアナリストらによるコンセンサス予測の合成を試みた.分析期間として2009年3月期から2016年3月期まで,EPS(一株当たり利益)予測値,のべ342社分のデータを用いて分析を行った. 合成した予測と経営者,アナリスト予測とを比較したところ,合成予測の予測誤差の平均,標準誤差ともに経営者予測,アナリスト予測よりも低く,誤差の小さい予測値が得られたことから合成した予測の有用性を確認した. 現在,他の業績指標,他の予測手法と比較してその有用性を確認する作業を行っており,平成30年度中に紀要等で発表する予定である.
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