研究課題/領域番号 |
25380606
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
浅野 敬志 首都大学東京, 社会(科)学研究科, 准教授 (30329833)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 財務会計 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、自発的ディスクロージャーの研究成果を援用しながら、①業績予想の開示方法の多様化の実態を把握し、②開示方法の採用理由を経営者の開示インセンティブやガバナンスなどの面から検討するとともに、③開示方法が資本市場などに及ぼす影響を実証的に分析することにある。 昨年度は、主に北米のTop Tierと呼ばれる雑誌から、研究テーマに関連する論文を収集し、それらのレビューを通じて最新の研究動向の把握に努めた。文献レビューの成果としては、雑誌『企業会計』に「業績予想開示研究の近年の動向」を、日本会計研究学会スタディ・グループの報告書に「Confirmation仮説に基づく将来予測情報の信頼性の検証」を公表した。 今年度は、実証分析に必要なデータ(業績予想データ、アナリスト予測・レーティングデータ、株価データ)を入手し、整理する作業を中心に行った。現時点では、まだ整理の途中であるが、早急に作業を完了し、実証分析に移りたいと考えている。これらの作業以外には、雑誌『會計』に「取得のれんの償却に関する一考察-保守主義の視点から-」を、『日本銀行金融研究所ディスカッション・ペーパー』に「株価水準を評価するうえで有用な利益情報-公正価値情報や減損損失はノイズなのか-」を公表した。 今年度の作業は、昨年度に引き続き、実証分析の基礎を固めるための準備作業であった。今後はこれまでの作業を活かすためにも、早急にデータ整理を完了し、業績予想の開示形式の多様化の実態やそれが資本市場やアナリスト予測に及ぼす影響などについて実証分析する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前年度は文献レビューを、今年度はデータ整理を中心に行った。データ整理に相当の時間を費やしたが、整理するデータの種類(業績予想データ、アナリスト予測・レーティングデータ、株価データ、財務データ)と量が多いせいか、現時点では作業を完了できておらず、作業がやや遅れていると言わざるを得ない。この点については、今後の課題である。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、重要文献を収集・整理するとともに、分析データの整理を行い、本格的に実証分析を実施する予定である。国内の学会や研究会で研究発表を行うだけでなく、海外の学会でも研究発表をし、国内外の査読誌に論文を掲載したいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
実証分析に必要な分析データの一部と統計ソフトを購入できなかったことが、次年度使用額が生じた理由である。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度では今年度購入できなかった分析データと統計ソフトを購入し、計画的に予算を執行したいと考えている。
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