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2016 年度 実績報告書

のれんの会計処理と我が国への影響

研究課題

研究課題/領域番号 25380608
研究機関横浜市立大学

研究代表者

三浦 敬  横浜市立大学, 国際マネジメント研究科, 教授 (50239183)

研究分担者 張 櫻馨  横浜市立大学, 国際マネジメント研究科, 教授 (70404978)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワードのれんの減損 / のれん償却
研究実績の概要

豪州の証券市場の規模は、わが国の3分の1程度で、約2,000社強の企業が上場している。したがって、1社あたりの平均的な企業価値はわが国のそれと比較すると、かなり小さいものとなっている。そこで、国外からの投資を呼び込むことが、喫緊の課題となっていた。そのひとつの対策として、豪州では、2005年から国際財務報告基準(IFRS)を強制適用とした。IFRSの適用が推奨されている日本にとっては、豪州の経験は参考になると考え、2016年度には、豪州企業を対象とする研究の結果のレビューを中心に、資産計上後ののれんの償却方法の良し悪しを検討した。
豪州国内において、資産計上後ののれんの処理方法が最初に注目を集めた契機は、1990年半ばに多くの企業が逆年数合計法に基づいてのれんを償却したことである。そこで、豪州の基準設定機関(AASB)は、1996年に定額法により20年以内でのれんを償却することを要求するAASB第1013号を発行した。その後、IFRS適用の決定によって、定額法による償却と減損適用のいずれがのれんの実態をより反映しているかについて、議論が繰り広げられた。
例えば、Chalmers et al.(2011)では、減損適用の方が企業の投資機会を反映していることと、利益が低迷している企業ほど、減損損失を計上することも明らかにしている。このように、豪州の場合、減損適用による情報の方が有用であると結論付ける研究が主流となっているといえる。これはわが国の会計実務と逆の結果を示唆している。また、Bepair et al.(2014)では、のれんの減損に関する開示情報を精査し、のれんを多く計上している業種に属する企業ほど、基準への準拠性が高くなることなどを明らかにしている。
このように定量的、定性的の両面から、わが国の会計実務と比較した場合の異同について今後検討を加えていこうと考えている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] のれんの減損に関する開示情報の実態分析2017

    • 著者名/発表者名
      三浦敬・張櫻馨
    • 雑誌名

      横浜市立大学論叢社会科学系列

      巻: 印刷中 ページ: 印刷中

    • 謝辞記載あり

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公開日: 2018-01-16  

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