研究課題/領域番号 |
25380621
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
中野 貴之 法政大学, キャリアデザイン学部, 教授 (70287952)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | セグメント情報 / マネジメント・アプローチ / 会計情報の有用性 / 機密費用 / 多角化政策 / グローバル化政策 / 国際比較 |
研究実績の概要 |
マネジメント・アプローチ(MA)とは、社内の実際の業績管理の単位でセグメント区分を行い、かつ、社内で使用している業績尺度をそのまま開示するものであり、今日、セグメント情報作成の世界標準となっている。MAは米国が世界に先駆けて1990年代後半に導入した後、IFRS適用諸国、および、日本が2010年前後に相次いで導入した。 以上の状況の下、本研究では新基準適用後、(1)セグメント情報はどのように変化したのかどうか【A.セグメント情報の開示行動に関する検証】、ならびに、(2) (1)の変化によってセグメント情報の有用性は向上しているのかどうか【B.セグメント情報の有用性に関する検証】という二点を、主に日本企業を対象として実証的に明らかにすることを目的としている。 これらのうち、本年度は【A.セグメント情報の開示行動に関する検証】を中心に研究を進めた。まず文献調査を通じてIFRS適用国ではMA導入後、必ずしも米国と同様の効果が発現していないという知見が多く蓄積されていることを把握した。それを受けて、日本企業のデータを用いて、MA導入後、セグメント情報の内容は改善が見られたかどうかについて検証を行った。その結果、新基準導入後、セグメントの分割度はセグメント数およびハーフィンダール指数双方の観点から上昇しており、情報の内容は平均的には改善していることを発見した。その一方で、セグメント数を大幅に減少させている企業も少なくなく、企業によって対応に差があり、情報の内容が後退したと解される企業も少なくないことを発見した。 これらの発見事項は、米国およびIFRS適用諸国と比較検証することにより、一層その特徴が明らかになると考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
事前の計画よりも若干遅れている。 A.セグメント情報の開示行動に関する検証については比較的順調に進展しているが、A.セグメント情報の開示行動に関する検証について若干遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、米国において研究に従事しているため、米国の研究者とも議論を重ねながら研究を進めていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
事前の計画よりも研究の遂行が若干遅れているため、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
本年度、若干遅れた研究を遂行していく中で使用する。
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