2011年以降、日本ではセグメント情報に関する新基準が導入されている。新基準は、セグメント情報の改善を目的として、マネジメント・アプローチ(MA)という世界標準の方法を導入した。本研究の目的は、MAの導入効果について検証することである。本研究の発見事項は、以下のとおりである。第一に、MA導入後、セグメントの分割の程度が大きくなるなど、セグメント情報の内容はとくに従来単一セグメントであった企業を中心として改善した。第二に、セグメント情報は経営者の経済的インセンティブの影響を受けていることは明らかになったが、MA導入後、そうした行動が抑止されていることを示す証拠は見出されなかった。
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