管理会計においておよそ研究の対象とされてこなかった「プロジェクト」という組織に着目して,そのマネジメント・コントロール・システムの構築のための研究課題を設定し,実施した。 ①PBGTの有効性検証:製薬会社とカーナビ製造会社での参与観察によってPBGTの課題を発見した。②PBGTの差異分析技法開発:プラント開発会社での事例研究を踏まえてABCによるコスト差異分析技法を開発した。③プロジェクト統廃合技法開発:技法を考案し,プラント開発会社に適応して有効性検証や課題を発見した。④場のメカニズムの探索:ホテル開発会社から提供された従業員意識調査データを使って,プロジェクトのマネジメント・コントロール・システムの基本システムやサブシステムが場のメカニズムにどのように作用するかを共分散構造分析によって実証的に分析した。⑤場のメカニズムの国際比較:この結果の妥当性をBruce Gurdky教授(南オーストラリア大学)とAbd. Rahman Abdil Rahim教授(マレーシア工科大学)との国際比較研究によって考察した。⑥プロジェクトのMCSモデル構築: 以上の研究を踏まえて, PBSC/PBGTをベースとしたプロジェクトのマネジメント・コントロール・システムを構築した。
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