内部統制監査制度の理論・規範・実証・実験分析

2014 年度 実施状況報告書

• 研究課題/領域番号: 25380627
• 研究機関: 同志社大学
• 研究代表者: 瀧田 輝己 同志社大学, 商学部, 教授 (90131276)
• 研究分担者: 原田 保秀 四天王寺大学, 経営学部, 教授 (20331720) ; 上枝 正幸 青山学院大学, 経営学部, 教授 (20367684) ; 矢部 孝太郎 大阪商業大学, 総合経営学部, 准教授 (20411465) ; 奥田 真也 名古屋市立大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (40351431) ; 椎葉 淳 大阪大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (60330164) ; 田口 聡志 同志社大学, 商学部, 教授 (70338234) ; 武田 史子 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70347285) ; 矢澤 憲一 青山学院大学, 経営学部, 准教授 (70406817) ; 太田 康広 慶應義塾大学, 経営管理研究科, 教授 (70420825) ; 福川 裕徳 一橋大学, 商学研究科, 教授 (80315217)
• 研究期間 (年度): 2013-04-01 – 2016-03-31
• キーワード: 内部統制 / 方法論 / 会計学 / 監査論

研究実績の概要

本研究は、我が国でも重要な課題といえる内部統制報告制度およびその監査制度の意義ないし制度的な効果について、「理論研究（モデル分析）」、「規範研究」、「実証研究」、および「実験研究」という４つの研究方法からアプローチすることを目的とするものである。そして、具体的な検討対象である内部統制監査制度の意義や効果を各方法論から多面的に分析していくだけでなく、各研究方法の根底にある基本的な立場を明らかにし、究極的には、監査研究における各研究方法の相互理解ないしコラボレーションの可能性を模索していくことを目指している。
第2年目となる本年度は、上記のような問題意識から、当初の実施計画にそって、大きく4つのグループに分かれて分析を行い、それぞれのグループにおいて、分析および論文執筆を行った。
また2015年3月には、同志社大学東京オフィスにて、研究成果の途中経過報告の意味も込めて、研究者・実務家を招いたシンポジウムを開催し、外部講師や外部参加者を交え積極的に意見交換を行った。

現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は、上述のとおり、当初の研究実施計画に概ね沿ったかたちで、大きく4つのグループに分かれてそれぞれ分析を行い、論文執筆を行った。
この他、本年度も、2015年3月に同志社大学東京オフィスにて、研究者・実務家を招いたシンポジウムを開催し、外部講師や外部参加者を交え積極的に意見交換を行うなど、研究成果の経過報告を積極的に行った。

今後の研究の推進方策

次年度以降も、当初計画にそって研究を進めていくことにしたい。特に、これまで行ってきた各グループごとの研究の進展だけでなく、最終年度となる次年度は、グループ全体でのコラボレーション可能性の模索という大きな課題に取り組むこととしたい。
また、次年度は最終年度であることから、論文化やシンポジウムの開催等も含め、研究成果の公表にも積極的に取り組んでいく予定である。

次年度使用額が生じた理由

経済実験の謝金分として予定していた額を、本年度未使用であったため。

次年度使用額の使用計画

次年度の経済実験により使用する予定である。

研究成果

• [雑誌論文] 「社会的ジレンマ問題」としての監査の品質管理体制：エッセンスの再吟味 (2015)
  • 著者名/発表者名: 田口聡志
  • 雑誌名: 同志社商学 巻: 66巻6号 ページ: 295-311
  • 謝辞記載あり
• [雑誌論文] 実験制度会計論序説 (2015)
  • 著者名/発表者名: 田口聡志
  • 雑誌名: 同志社商学 巻: 66巻第5号 ページ: 333-349
  • 謝辞記載あり
• [雑誌論文] 会計不正の抑制と倫理―道徳性発達理論に基づく合理的意思決定モデルによる分析― (2014)
  • 著者名/発表者名: 原田保秀・矢部孝太郎
  • 雑誌名: 四天王寺大学紀要 巻: 57 ページ: 137-159
  • 謝辞記載あり
• [雑誌論文] 会計学のコミュニケーション研究に向けて―コミュニケーション学／論の援用可能性の探索― (2014)
  • 著者名/発表者名: 上枝正幸
  • 雑誌名: 青山経営論集 巻: 49巻2号 ページ: 17-37
• [雑誌論文] わが国の会計コミュニケーション研究の回顧と展望 (2014)
  • 著者名/発表者名: 上枝正幸
  • 雑誌名: 青山経営論集 巻: 49巻3号 ページ: 81-99
• [雑誌論文] 企業の情報開示（ディスクロージャー）と会計コミュニケーション研究 (2014)
  • 著者名/発表者名: 上枝正幸
  • 雑誌名: 企業会計 巻: 66巻12号 ページ: 79-83
• [雑誌論文] The Impact of XBRL Adoption on the Information Environment in Japan (2014)
  • 著者名/発表者名: Zhenyang Bai, Manabu Sakaue, and Fumiko Takeda
  • 雑誌名: Japanese Accounting Review 巻: 4 ページ: 49-74
  • DOI: 10.11640/tjar.4.2014.03
  • 査読あり
• [雑誌論文] Global Audit Firm Networks and Their Reputation Risk (2014)
  • 著者名/発表者名: Yoshie Saito and Fumiko Takeda
  • 雑誌名: Journal of Accounting, Auditing & Finance 巻: 29 ページ: 203-237
  • DOI: 10.1177/0148558X14530128
  • 査読あり
• [雑誌論文] Information Content of Internal Control Weaknesses: The Evidence from Japan (2014)
  • 著者名/発表者名: Riku Nishizaki, Yudai Takano, and Fumiko Takeda
  • 雑誌名: International Journal of Accounting 巻: 49 ページ: 1-26
  • DOI: 10.1016/j.intacc.2014.01.009
  • 査読あり
• [学会発表] 実験研究とディスクロージャー研究 (2014)
  • 著者名/発表者名: 上枝正幸
  • 学会等名: 日本ディスクロージャー研究学会
  • 発表場所: 名古屋市立大学
  • 年月日: 2014-12-20 – 2014-12-20
  • 招待講演
• [図書] 実験制度会計論 -未来の会計をデザインする- (2015)
  • 著者名/発表者名: 田口聡志
  • 総ページ数: 266
  • 出版者: 中央経済社