研究課題/領域番号 |
25380629
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
中嶌 道靖 関西大学, 商学部, 教授 (10227803)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | マテリアルフローコスト会計(MFCA) / 環境管理会計 / サプライチェーン |
研究概要 |
研究計画に基づき、既にマテリアルフローコスト会計(MFCA)を活用する複数の企業へのヒアリング調査や、MFCA情報によってサプライチェーン(バイヤー・サプライヤー間)での省資源化・コスト削減を実施しようと試みる企業グループ(バイヤー1社とサプライヤー4社)へのヒアリング調査を実施した。特に、上述の企業グループでの研究調査では、MFCA情報に基づく省資源化、コスト削減、さらには環境配慮促進などに関して、バイヤー・サプライヤー間での協働がより促進されるようにアドバイス支援し、より大きな研究成果を導き出すように努力した。その研究成果の一部は、学会で発表すると共に、研究成果として査読論文として、中間成果ではあるがまとめた。なお、富山の企業との共同研究は都合により実施には至っていない。 また、平成23年度末に他研究費で実施した日本企業(日本の証券市場上場の製造企業)の購買部門を対象としたアンケート調査を基礎として、バイヤー・サプライー間の省資源化・環境促進、さらにはMFCAによる協働の可能性に関して、本研究でのヒアリング調査などを反映して研究を進め、研究成果として発表した。なお、平成25年度に他研究費で実施したマレーシア企業(マレーシア証券市場上場の製造業)に対するアンケート調査(一部ヒアリング調査を含む)において、本研究での研究成果をもとにして、アンケート作成並びに研究フレーム枠作成に関して研究支援した。 さらに、MFCAを通じての企業での省資源化に関してドイツとの共同研究を進め、共同研究者であるMario Schimdt教授(Hochschule Pforzheim)と査読付き論文として、共同研究の成果をまとめた。インドネシアの現地企業や中国での日系工場とインターネット会議を通じて、MFCA分析の実施を行った。なお、タイでの現地調査は日本本社でのヒアリング調査によって実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度に計画していたMFCAを既に導入し活用する企業へのヒアリングは予定通り実施でき、さらには、バイヤー・サプライヤー間での協働に関する調査研究も具体的に実施することができ、研究成果にまとめることもできている。また、東アジア・東南アジアを中心とした海外での実態調査も、アンケート調査や現地でのヒアリング調査も実施し、研究成果としてまとめている。さらには、インターネット会議を通じての現地企業・工場へのヒアリング調査も実施でき、継続的な研究調査も実施できた。さらには、研究成果を踏まえた共同研究もドイツの共同研究者と実施でき、査読付き論文としてまとめるに至っている。 以上の点から、初年度である平成25年度の研究計画の達成度は、おおむね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度の研究成果に基づき、研究計画どおりに、MFCAを導入・活用する日本企業へのヒアリング調査を継続実施する。なお、富山の企業との共同研究に関しても、研究実施に向けた検討は継続するが、実施が困難な場合には、他の企業調査によって代替可能であることから、振り替えることとする。 また、中国並びに東南アジアでの実態調査は、インターネット会議や現地訪問などを通じて、継続する。 10月下旬に開催されるエコバランス国際会議2014のスペシャルセッションにおいて、MFCAを中心としたセッションを実行委員として企画しており、また発表する予定でもある。さらに、MFCAを発案したBernd Wagner教授(Augsburg University, Germany)を、大学予算で約1ヶ月招聘するので、さらに共同研究を進める予定である。 また、国内外の複数の学会での発表に申し込むとともに、査読論文への投稿の準備も進める。
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次年度の研究費の使用計画 |
必要とした図書の出版が次年度にずれ込んだため。 必要とした図書が出版され次第、速やかに執行する。
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