本研究では,19世紀以降の近代化の過程で,日本,中国,韓国といった東北アジア諸国に西洋諸外国の簿記知識が伝播した過程を明らかにすることであった。 東北アジアにおいて,この近代化の過程では西洋の文化や技術等の輸入が積極的に行われた。この時,西洋簿記の輸入も行われている。しかし,この西洋簿記という新たな知識を現地の言葉で翻訳し,教育課程や実務に取り入れていく過程は困難を伴うものであった。そのような中,日本は最初に西洋諸外国の簿記知識を現地の言葉に翻訳し,教育課程に取り入れることに成功した。その後,中国や韓国にも留学生の交流等を通じてこの知識が受容される過程の一端を,本研究ではたどることができた。
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