研究実績の概要 |
本年度は、これまでの研究機関に収集してきた日本在住の外国人に関する子ども就学や進学についての分析を取りまとめ、"Educational Studies in Japan"にIshida, K., Nakamuro, M. & Takenaka, A. (2016) The Educational Attainment of Immigrant Children in Japan:An Empirical Analysis of the Assimilation Hypothesisとして分析した。これは2000年から2012年までのPISAデータに含まれる日本在住の外国人の子どもをプールして、日本人の子どもとの比較を行ったもので、第1世代(親とともに日本に移住してきた子供)と第2世代(生まれた時から日本に住んでいる子ども)とで学力や進学に大きな差があることや、言語能力に大きな差があることを明らかにした。当該論文は、査読付き論文として受理された。また、21世紀出生児縦断調査の個票データを用いた実証分析も行った。こちらでは、2000年の1月と7月の第2週に生まれた外国人の子どもらを対象にしたパネルデータ分析を行い、この結果は「経済分析」に中室・石田・竹中・乾(2015)「定住外国人の子どもの学習時間についての実証分析」として査読付き論文が掲載された。現在、TIMSS(国際数学・理科教育動向調査)およびPISA(学習到達度調査)の個票データを用いた分析を進めており、こちらも完成次第、査読付き論文に投稿する予定である。
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