研究課題/領域番号 |
25380639
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
田中 秀樹 広島大学, 生物圏科学研究科, 教授 (90227166)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 協同組合事業規模 / ガバナンス構造 / 協同組合の基礎単位 / 農協の広域合併 / 生協事業連合 |
研究概要 |
グローバルな市場競争が強まる中で協同組合の事業規模が拡大し、組合員によるガバナンスが難しくなってきている。農協については金融機関としての事業規模を基準に合併が進んでいる。生協については県を越えた合併が成立し、また事業連合としての事業規模拡大が進んだ。 25年度は、農協および生協について、その全国組織と研究機関に行き、情報収集と研究交流を行った。特に、研究機関の雑誌や研究報告書、資料について所在を確認するとともに,入手できるものを入手した。 また、農協と生協の類型を整理し、農協については、都市農協型、米農協型、産地農協型にわけ、都市農協型としてJA広島市、米農協型としてJA広島北部を選び、資料収集を行った。産地農協型としてはJA広島ゆたかを候補に選んでいる。生協については、共同購入型と店舗展開型にわけ、店舗展開型としてコープみらいとその事業連合であるコープネット事業連合、共同購入型として生活クラブ生協東京について調査対象として選定し、資料を収集した。それぞれの協同組合の概況および組織・事業に関わる基礎データを収集した。 ガバナンス構造に関わっては、農協については准組合員が半数を越えるとともに、基礎組織である集落が、組織の大規模化や集落人口の高齢化により機能しなくなってきていること、生協については、事業規模の拡大とともに組合員意識が後退し、また班が特に店舗展開型では成立せず、共同購入型でも個人化している実態がある。ガバナンスは困難化しており、基礎組織も従来に変わるものが見つからない状況にある。 今後はそれぞれの協同組合組織の組織構造や基礎単位のあり方やその展望、分権化に対する考え方などについて調べる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度はテーマに関わる先行研究や研究成果などの資料収集および調査対象の協同組合の選定とその基礎データを集めることが課題であり、それについてはおおむね達成できた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は引き続きテーマに関わる研究や資料の収集につとめるとともに、対象としたそれぞれの協同組合についての調査を実施する。とりわけ組合員組織の歴史的経過や基礎単位のあり方やその展望、分権化に対する考え方などについて調べる予定である。
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