専修大学社会関係資本研究センターが実施した東アジア諸国の意識調査では、近隣住民の葬儀への参加率はGDPの高まりに反比例して低くなることが明らかになった。これは近代化によって各社会の葬儀が変容することを如実に示している。日本では戦後に伝統的葬儀⇒近代的葬儀⇒現代的葬儀とその姿を変えてきたが、現在では超高齢社会化と少子化により第三の変化が生じていると考えられる。それは身内の葬儀からの家族の撤退である。一方、近代化によって都市への人口集中が続くベトナムでは、伝統的な葬儀が崩れ始め、都市と村落コミュニティが組み合わさりながら葬儀を執行していることが明らかになった。これは近代化への過渡期と考えられる。
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