引き続き原爆文学研究会、戦後文化運動合同研究会、思想の科学サークル戦後史研究会などで研究と議論を深めるとともに、故浜賀知彦氏旧蔵資料、「とけいだい」資料の調査と整理を進めた。とくに浜賀資料についてはすべての内容を点検し、複数の旧蔵者から浜賀氏に寄贈された資料の旧蔵者ごとの特徴を調べるとともに、浜賀氏の文章に言及されていながら所在が確認できないものなどを明らかにした。それとともにいくつかの重要資料をPDF化した。これに合わせ、4月には出版社の資料復刻の仕事で音楽センターを訪問し、「うたごえ」運動資料の閲覧と聞き取りをし、解説執筆のための研究会を10月に実施した。同じ4月には、丸木美術館で50年代の文化運動と幻灯についてのトークセッションでスピーカーをつとめた。また、前年度に引き続き北九州在住であった元「サークル村」メンバーの故村田久氏旧蔵の資料調査を行なった。戦後文化運動合同研究会では、これまでの各地のサークル文化運動の研究成果をまとめる「論集」の編集に着手し、分担執筆中である。2015年10月に行われた第9回戦後文化運動合同研究会では、準備過程から企画立案に関わり、1セッションでの司会をつとめるとともに、「論集」収録予定のシンポジウム「サークル誌をどう読むか」のための基調報告をした。5月には神戸で行なわれた「神戸・サークル誌の時代」(神戸市文学館主催)を見学し、黒川伊織氏の報告を聞いて研究交流をした。そして、思想の科学研究会で保管されていた60年代のサークルを中心とした活動の記録テープ(6ミリ)のデジタル化作業を進め、作業が完了した。
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