研究課題/領域番号 |
25380648
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
渡邊 勉 関西学院大学, 社会学部, 教授 (30261564)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 職業経歴 / 職工 / 徴兵 |
研究実績の概要 |
今年度は主に2つの研究をおこなった。 第一に、戦前から戦後にかけての職工の職歴に関する分析である。戦前の職工は渡り職工といわれるように移動が多かったと言われていたが、SSMデータの分析からは、確かに重工業で働く職工の移動は、他の業種に比べると多かった。しかし1930年代以降については戦後とあまり大きな違いがなく、定着しつつあったことを明らかにした。また経済変動の影響は確認できなかった。戦時期については、前期(日中戦争期)は移動が少なかったが、後期(アジア・太平洋戦争期)になると、徴用の影響もあると考えられるが、移動が増加することが確認された。 第二に、徴兵の分析をおこなった。戦前、戦中、戦後の職業移動を分析する際には、徴兵による中断は、大きな要素である。そこで、まず兵役に就く者の特徴を明らかにしていった。SSMデータを分析することによって、次の点が明らかとなった。①特定のコーホートが徴兵されている。②平時、また戦争前期(日中戦争期まで)においては、特定の社会階層が徴兵される傾向があった。特に、学歴、職業において違いがあった。③戦争末期(1941年以降)においては、総動員体制ということもあり、特定の社会階層に偏ることはなくなっていった。④しかし、上層ホワイトカラーのみは、時代に関係なく徴兵されにくかった。 さらに、除隊後の職業移動についても基礎的な分析をおこなった。分析からは、いつ除隊したかに依存しているが、除隊後数年は職業が安定しないが、数年後には安定し、兵役経験の影響は消失し、徴集経験者と未経験者で違いがなくなることを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
戦前から戦後にかけての職歴について、SSMデータの分析をおこなっている点については、計画通りである。官庁統計データの基礎的分析についても、SSMデータ分析と併せて行っており、学会報告、論文執筆の際には利用しており、順調に研究を遂行している。
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今後の研究の推進方策 |
2014年度の研究を継続することにより、今後の研究を推進していく。第一に2014年との継続研究として、除隊後の職歴を明らかにする。その上で、第二にSSM調査データおよび官庁統計データを利用し、戦前から戦後にかけての包括的な分析をおこなっていく。その際、労働市場、教育、社会制度、戦争といった要素を考慮した分析をおこなっていく。
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