第一に1900年以降の階層構造について、戦前、戦中、戦後の不平等を兵役という観点から分析し、不平等の実態を明らかにした。具体的には、SSM調査の職歴データを利用し、徴集、召集のしやすさが学歴や職業によって異なることを明らかにした。また戦時の死亡リスクについても、階層の影響があることを確認した。 第二に1900年以降のキャリアについて、職歴データから職業分布の変化と職工の転職行動について検討した。戦前と戦後では戦争によって職業分布の変化が断絶していることを明らかにした。また職工の分析を通じて、戦前の転職率はやや高いことを確認するとともに、戦時中に移動が爆発的に増加していることが明らかとなった。
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