都市河川および平地ダムを対象に、水質汚濁とその対応策について事例調査を試みた。その際の基本的な視点は、水を利用することによって改善が図られるのではないか、という機能論的なものである。水質改善の決定打は公共下水道の整備にあるが、都市河川の場合、処理水を河川に放流して人為的な生態系を構築し、都市の中に河川を取り込む試みが行なわれている。平地ダムに関してはボートによるゴミの回収や噴水装置による曝気によって原状が維持されている。今回の事例調査では、対象は限定的だが、利用・保全の視点の現実妥当性が検証された。
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