本研究では、保健婦の職業化過程を跡づけることを通して、戦前・戦中期の農村における公衆衛生と社会事業に関する政策的対応の一端を明らかにすることを目的とした。方法としては、昭和16年に始まる保健婦養成の全国的な展開や農村における公衆衛生と社会事業の展開に関する文献研究、ならびに当時の養成所生徒を対象としたインタビュー調査を実施した。その結果から、複数種ある養成所の中でも第一種保健婦養成所における保健婦教育の特徴、共同炊事や農繁期託児所等の共同施設事業への保健婦の関与による健康支援の特徴について整理、分析した。
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