本研究の目標は、ヴィジュアル・メソッドに則った美術館来館者経験の社会学的記述である。すなわち、1)ヴィジュアル・リサーチ・ツールの開発、2)美術館をフィールドとした来館者調査の実施と、そこで得られた材料によるヴィジュアル/ナラティヴ・データベースの構築、3)来館者の美的経験の社会学的記述、が作業課題である。作業課題の1と2は完了した。すなわち、館内経験を活性化してその記述を促すデータベース型ツールを開発し、2種類の来館者調査を実施して、得られた画像とナラティヴを材料にしてデータベースを構築した。けれども、作業課題3についは、GTAならびに状況分析による分析枠組み生成を目指したが未完である。
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