本研究の目的は、社会学のエスノメソドロジー・会話分析の方法論に基づき、授業の学習経験が相互行為上で組織化されるという視点を採用し、学習活動の設計(デザイン)に結びついた教師の働きかけの方法と授業の相互行為の秩序としての会話のルールが、児童・生徒の学習経験の組織化にいかに関わっているのかを明らかにすることである。 今年度の成果は以下である。 (1)協同学習を考察する視点に関して:エスノメソドロジー・会話分析の成員カテゴリー化装置の知見を分析視点として援用することで、協同学習の展開の円滑さや教師の支援の必要性などについて明らかにすることができることを、具体例を考察することで示すことができた。 (9月、日本質的心理学会)(9月、「『何をどう学ぶか』をデザインするためのエスノメソドロジー研究の視点」)(9月、「立場を異にする者同士のかかわりの質的記述」) (2)成果発表としての著作の出版に関して:打ち合わせと研究会を通じて、成果を論文化する作業を進めることができた。
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