本年度は、松山アーバンデザインセンター、北陸新幹線開通後の金沢市砺市の中心市街地、北海道美唄市にける台湾中華大学インターンシップ事業への参与観察のまちづくり、福岡市・久留米市・大牟田市のDIYリノベーションまちづくり、富山市・南砺市、北海道のサイクルツーリズム・インバウンド観光に関するまちづくりのフィールドワーク、岩手県紫波町オガールプラザ、仙台市の商店街、女川町の復興まちづくり、滋賀県長浜市のフィールドワーク、東広島市・熊本市・福岡のまちづくりリーダーのヒヤリングを行い、計画行政学会のコモンズ研究会に参加し、議論を深め、研究成果、として、「中心市街地の活性化とコモンズーー「まちづくり会社」による中心市街地の活性化とは何であったのか?」細野・風見・保井編著『新コモンズ論:幸せなコミュニティをつくる八つ実践』中央大学出版部として出版した。 ソーシャルイノベーション型の福岡市・久留米市・大牟田市のDIYリノベーションまちづくりは、建築家ではなく、物件オーナである旧中間層・地方名望家層とその財産を引き継いだ30代の子ども世代を中心として、その動きを活発にしていた。外国人インバウンド対応の北海道の美唄市でのサイクルツーリズムは、台湾中華大学インターンシップ事業を引き受け、新たな潮流が産み出されていた。この事業は2016年も継続して行われる予定であり、新たな草の根交流からこれまでとは違ったまちづくりの担い手が産み出される可能性があり今後の展開に注目して行きたい。また、岩手県紫波町や女川町のまちづくりは、再開発型であるが高層建築ではなく、日本版New Urbanism的な歩行者に優しいまちを産み出していた。縮小社会に対応した公民連携このような新しい再開発のやり方が地方都市において定番になるのか、それとも従来型の新自由主義的な再開発の流れが続くのかは継続して調査して行きたい。
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