本年度は研究総括に向けて、全国林業普及協会への再度のインタビューにより、全国の林業女性組織の活動の総括を行うべく、研究文献の提供及び関連情報の提供を受けた。 海外女性調査では、ドイツ国バイエルン州のフライジング大学の林業研究者及びミュンヘン大学の大学院生の協力により、女性林業研究者、女性林業者組織運営者、女性林業経営者、女性林業労働者へのインタビューと、林業専門学校教員、学校運営担当者等へのインタビュー及び資料の入手に努めた。今回の海外調査では、若い女性林業労働者へのインタビューを行っており、印象的であったのは、機械装備があっても、男女にかかわらず、林業労働が非常に重労働であり、男性労働者の多くに故障がみられ、そのことにより、女性林業労働者のほとんどが早い段階で林業をやめる契機になっていること、男性でも若年層が参入しない理由の一つであることなどが明らかになった。 また、関西社会学会での報告では、昨年の北海道社会学会での報告同様、林業女性研究が必要なことが認められた。 なお、これらのインタビューはこれまでの海外調査と同様の調査票を利用しての調査であり、一部はドイツ語圏で行っている農業女性のキャリア研究の調査票とも共通しており、林業女性の国別比較はもちろん、ドイツやオーストリアに関しては、農業女性と林業女性の比較も可能であり、今後の研究課題としたい。
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