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2013 年度 実施状況報告書

都市分析の基礎統計単位設定に関する方法的検討

研究課題

研究課題/領域番号 25380681
研究種目

基盤研究(C)

研究機関首都大学東京

研究代表者

玉野 和志  首都大学東京, 人文科学研究科(研究院), 教授 (00197568)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード都市 / 都市化
研究概要

初年度は研究実施計画にもとづき,まず領域設定を可能にする人口密度の基準値を操作的に探索した.予想通り,関東圏においては人口密度6000人ぐらいに設定しないと八王子や町田を弁別できない状況であったが,他の都市圏ないし地方都市の場合は,6000人まで上げてしまうとかえって都市地域の設定が困難になり,5000人ぐらいまで落とす必要があった.結果として関東圏はひとつの都市地域となってしまったが,人口密度5000人を一応の基準値とすることに決定した.
これに基づき,関東圏に加えて関西圏と中京圏,さらに地方中小都市の状況を確認するために金沢市周辺の4地域において,都市地域の設定を行った.結果として,関東に東京圏,関西に大阪圏,京都,奈良,和歌山,中京圏に名古屋圏,豊田,安城刈谷知立,岡崎,豊橋,浜松,その他に金沢,福井の13の都市地域の区分作業を完了することができた.
次に,人口密度にもとづく操作的な区分の基準値が5000人と確定したので,日本における既存の都市画定の指標としての人口集中地区:DID(Densely Inhabited District)との比較で,その有効性について確認してみた.とりあえず人口の推移を確認したところ,特に大阪圏において,DIDでは国勢調査の年度ごとに区分されるために一貫して増加してしまうのにたいして,われわれが2010年度で設定した区分にもとづいて遡って比較したところ,グローバル化によってある時期から大阪が衰退していく様子が明確に確認できた.また,人口密度4000人以上の調査区が隣接して5000人以上の規模になる地区に設定されるDIDと比較して,地域的な区分の結果がそれほど変わらないことも確認できた.
以上のことから,ある程度の有効性が確認できたので,体系的な分析の準備として,まず利用可能な国勢調査のデータの入力作業を実施し,これを完了した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度に予定していた基準値の設定に成功し,その有効性をある程度確認できたことが最大の成果である.今後の体系的な分析の準備として,国勢調査の結果を中心としたデータ入力作業を終えることができたことも,大きな成果であった.しかしながら,利用可能なデータの弁別と入力の作業に予想以上に手間取ったために,実質的な分析の作業にまで進むことはできなかった.次年度以降行っていくつもりだが,できれば,事業所統計のデータも同様に利用したいと考えているので,そこでも国勢調査データ以上の作業量が必要なことが予想される.そのため,分析の結果にもよるが,若干作業を簡略化するなり,研究計画の一部見直しが必要になると予測される.

今後の研究の推進方策

初年度に設定した課題はほぼ達成されたので,急ぎ経年的な分析を進めていきたい.その分析結果を見ながら,必要に応じて事業所統計のデータなどの補充も行っていく予定である.ただし,都市地域を区分していった結果,既存のDIDの範域とあまり変わらないことが示され,その点ではその有効性が確かめられたともいえるが,この区分を既存の市区町村の組み合わせによって代替し,簡易版を作成するには少々無理のあることもわかってきた.したがって,その後の作業としては,簡易版の作成よりも,分析範囲を広げることに力点を置いた方がよいかもしれない.その点も見きわめながら,次年度の作業を進めていくつもりである.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 資本主義世界経済の転換と地域政策の課題2013

    • 著者名/発表者名
      玉野和志
    • 雑誌名

      大原社会問題研究所雑誌

      巻: 656 ページ: 1-18

    • 査読あり

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公開日: 2015-05-28  

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