後期近代に特有の社会問題としての科学技術と社会との関係の複雑化に注目し、サブポリティックス論、討議デモクラシーの観点から、日本社会の原発が立地されている自治体におけるメディア報道と政策決定のあり方に焦点をあて、その特徴・課題を浮き彫りにした。メディア(新聞)は全国紙、地方紙それぞれ特徴を出している。しかし、地域住民が高度に専門的なイシューにおける政策決定に参画するにあたって必要と思われる情報は十分提供されているわけではない。専門家の言論の編成、基本的な地域利害構造の解明、意思決定の制度の理解と説明、政治的な意見分布、情報の地域現実に即して提示などの点で、不十分であることが明確になった。
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