研究課題/領域番号 |
25380687
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
川野 英二 大阪市立大学, 文学研究科, 准教授 (20335334)
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研究分担者 |
笹島 秀晃 大阪市立大学, 文学研究科, 講師 (30614656)
赤枝 尚樹 関西大学, 社会学部, 助教 (50645546)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 社会学 / 都市 / 貧困・社会的排除 / セグリゲーション / 国際比較 |
研究概要 |
I フランスで開催されたワークショップに参加し、2011年大阪市民調査のデータをもちいて、大阪市のセグリゲーションと住民の貧困観の分析結果をフランス語で報告した。さらに同じデータをもちいて、大阪市における貧困・不安定就労の規定要因の分析、および貧困・不安定就労の集中地域における「集合的有効性」の効果に関する分析を行なった。これによって都市セグリゲーションと貧困・不安定の関連について、近隣効果を考慮して分析を深めることができた。また世界価値観調査とユーロバロメーター調査のデータセットを入手し、基礎的分析を行なった。今後はさらに詳細な比較分析を行なう予定である。 II 対象地域の都市セグリゲーションと貧困対策に関する資料収集として、パリの地域調査を実施、またアメリカの脱セグリゲーション政策とその調査分析に関する資料収集を行ない、成果を一般向けに公表した。アメリカに関しては二次分析の可能なデータを入手したため、今後このデータを詳細に分析することによって、日本との比較検討が可能になる。また2010年国勢調査小地域データを入手し、2005年データの分析結果と比較検討する準備を開始した。すでに最新版の社会地図を作成しており、今後はセグリゲーション指標の分析も行うことによって、2005年との比較が可能になる。 III 大阪の典型的な富裕地区四地区を国勢調査データなどをもとに選択し、これらの四地区を対象に地域調査を実施した。地域データの分析、体系的社会観察によるデータ収集、地域団体ヒアリングを行なったのち、合計約40名の住民にインタビューを行なった。 IV 上記の大阪富裕地区四地区を対象に、富裕地区の特徴を示す比較可能な指標を作成し、体系的社会観察によるデータ収集を行なった。またパリ調査の対象地区のうち二地区においても観察調査を行なった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は大阪で富裕地区の地域調査および住民インタビューを行ない、貴重なデータを収集することができた。しかしこの調査に想定以上の時間と労力を必要としたため、他の国のフィールド調査や資料収集、他のデータの分析については進捗が遅れている状況である。
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今後の研究の推進方策 |
本研究計画の主要な課題であった大阪の富裕地区調査は順調に進んでいるため、今後は補充調査として継続することができる。その一方で、既存データの分析や海外調査の進捗が遅れているため、今後はこちらに労力をシフトしたい。2014年度にはパリで国際比較調査に関するワークショップがあるため、これに参加し国際比較調査の方法論の検討を行なうことにしたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
物品購入のさいに残金が生じたため。 今年度の物品購入のさいに使用する。
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