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2014 年度 実施状況報告書

過疎と災害にresilientな妊産婦支援ネットワークの構築のための基盤的研究

研究課題

研究課題/領域番号 25380689
研究機関大阪府立大学

研究代表者

田間 泰子  大阪府立大学, 人間社会学部, 教授 (00222125)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワード妊婦 / 災害 / 支援 / 復興 / まちづくり
研究実績の概要

東日本大震災の被災地である宮城県石巻市において当事者NPO『ベビースマイル石巻』に妊産婦支援体制に関するインタビューを重ねた。またこのNPO・行政・災害時の医療拠点となる石巻日赤病院、地域の民間医療機関、当事者(被災妊婦2人)等と連携し、10月にシンポジウム『ママと赤ちゃんの復興・まちづくりin石巻』を開催し、今後の妊産婦支援体制づくりの課題について協議した。このシンポジウムは報告書を刊行し、電子ファイルを公開した。なお、英語版(一部略)を作成中である。
当初の計画と比較すると、(1)他地域でヒアリングが実施できていない。しかし(2)石巻市においては研究が進み、ヒアリングに加えて最終年度に予定していたシンポジウム開催を先行できた。この変更は、石巻市に関しては当事者NPOおよび関係者・行政との協議の結果であり、被災地の実情に沿ったものになった結果である。このシンポジウム企画まで、パネラー(すべて石巻市民で被災妊産婦支援に関わった人々)相互が出会ったことがない場合が複数あり、また石巻市における災害と妊産婦支援体制について一同に会したことがなかった。このことから、災害から4年後においても、被災地においては妊産婦にかかわる災害と支援について独自に協議することが困難であることがわかる。パネラーは皆、このシンポジウムが妊産婦と被災、および今後の復興と防災を考える初めての機会であったと述べていた。研究者が科研費等により被災地に入ることの意義が感じられる。
その後、石巻市主催の3月14日防災シンポジウムには当NPOがパネラーとなって、復興まちづくりに妊産婦の視点を入れるべきことを述べ、他大学研究者が提案する妊産婦避難所、他地域NPOとの連携による支援取り組みの導入など、数か月間に進展があった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

調査の中心となる宮城県石巻市については進展しているが、他地域の災害と妊産婦支援体制について、調査が遅れているため。

今後の研究の推進方策

(1)石巻市で引き続きヒアリングを行い、また関係者との協議を行う。具体的な支援体制は、石巻市社会福祉協議会および地域のNPOが鍵となるため、今後はいかにそれらの組織が妊産婦支援体制に位置づけられうるかに注目しながら進める。
(2)支援体制の一番の中心は、妊産婦自身のエンパワメントであると考えているので、その点から当事者にさらにインタビューを重ねる。
(3)ヒアリングおよび文献により、災害時における、特に大都市ではない地域の妊産婦支援体制についてレビューする。その際、これまで協力を得ている上記NPOに当事者の視点から評価してもらうことを考えている。それが、被災地で支援を受けるという立場から、被災経験があるからこその評価者という立場への変容とエンパワメントをもたらすのではないかと考えているところである。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2015 その他

すべて 図書 (2件) 備考 (1件)

  • [図書] ママと赤ちゃんの復興・まちづくりin石巻報告書2015

    • 著者名/発表者名
      荒木裕美、山地久美子、田間泰子
    • 総ページ数
      43
    • 出版者
      自費出版
  • [図書] シンポジウム「災害復興とジェンダー課題」記録集2015

    • 著者名/発表者名
      大阪府立大学女性学研究センター
    • 総ページ数
      56
    • 出版者
      大阪府立大学女性学研究センター
  • [備考] 田間研究室

    • URL

      http://www.tama-saminar.jp

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公開日: 2016-05-27  

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