• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2015 年度 実績報告書

米国都市行政における市民事業体の準自治体化(PDA)のガバナンスの位相と法的構造

研究課題

研究課題/領域番号 25380691
研究機関福山市立大学

研究代表者

前山 総一郎  福山市立大学, 都市経営学部, 教授 (80229327)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードPDA (公共開発機構) / 準自治体 / 市民的ガバナンス / 都市パラダイムシフト / 都市内分権 / 新自由主義的都市開発 / ローカルガバナンス / CDC(コミュニティ開発法人)
研究実績の概要

斬新かつ複雑な地域開発の手法である[市民統治に基づく経営権能をもつ準自治体PDA]につき、段階を踏んで現地ヒアリング・報告書・法令分析調査を主として、平成25年度に「市民ガバナンス位相」の調査、平成26年度における「市民ガバナンスの法的構造」調査をおこなった(2年で4本の関連論文を刊行した)。最終年度の平成27年度には、その両調査の結果を交差的に確認することにより、理論類型化をおこなった(当該年度にさらに2本の論文を刊行し、3年間で合計6本の論文を刊行した)。
本研究の結果、1980年代から進行した都市経営のパラダイムシフトの動向において編み出されてきたPPPやCDC等の手法の中にあっても、とりわけ手法と法的位相にかかわるその独自な点として次の三点が明らかとなった。
①PPPやCDCとは異なり、[準自治体PDA]がその準公共性からして州の監査下におかれることから生じる各種の現実的コンフリクトの中で展開されていることが確認された。
②機能としてCDCと類似の類型(コミュニティの低所得者用ハウジング推進)もあるが、PDAにあっては、そのほかにi)エスニシティの擁護・展開、ii)観光市場の、歴史保全と一体的な経営、iii)地区零細店主への支援(店舗改装への資金アドバイス等)によるコミュニティ開発、iv)地区諸組織のハブとしての機能(準自治体として地区のNPOやCDCのプラットフォーム結節点)、v)社会的サービス財団の創出・支援、vi)コミュニティ文化活動の支援に特化した事業といった機能類型が確認された。
③「都市サービスの供給システム」の構造の体系の中では、NPO、CDCやPPPといった民間団体・制度ではできず、また市町村等「一般目的政府」ではできない領域(上記)で有効的に機能する仕組みとなっていること、そしてそれが、準自治体(特別目的自治体)としての法的安定性を賦与されたことに基づいて可能となっていることが明らかとなった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (2件) (うちオープンアクセス 2件)

  • [雑誌論文] ネオリベラル都市開発とエリアマネジメント組織の有効性 : 米国シアトル市におけるエリアマネジメント組織・公共開発機構(PDA)を事例として2015

    • 著者名/発表者名
      前山総一郎
    • 雑誌名

      都市経営

      巻: 8 ページ: 9~23

    • DOI

      10.15096/UrbanManagement.0802

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 「都市内分権」の展開と地域公共サービス : その日本的展開と特質2015

    • 著者名/発表者名
      前山総一郎
    • 雑誌名

      都市経営

      巻: 8 ページ: 41~52

    • DOI

      10.15096/UrbanManagement.0804

    • オープンアクセス

URL: 

公開日: 2017-01-06  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi