戦前期の「農村社会」を対象とした諸研究を検討することにより、農村社会学の実践性、国際的生成、広域性(移動性)、調査方法の多角性・学際性、時代性などを抽出した。具体的には、社会学以外の分野も含めた当時の「農村社会」研究群を網羅的に再検討した。その結果、1920-30年代の農村社会研究は、当時の時代状況を背景に、隣接他分野及び海外の研究動向の影響をも受けつつ、次第に有賀喜左衞門・鈴木榮太郎の「農村社会学」へと向かっていった状況を明らかにした。 文献研究と並行して、有賀・鈴木の関係者へインタビューを実施し、記録をまとめた。加えて、有賀喜左衞門旧邸より、未発見の資料群を発見し、現在、分析を行っている。
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