本研究は、国境を超える人々の「場所形成」過程と新たなアイデンティティの出現に焦点を当てながら、沖家室(おきかむろ)のハワイ移住者、群馬県大泉町のブラジルタウン形成と日系人移動者のアイデンティティ、新宿コリアタウンでの「場所の獲得」の展開、現代ニューヨーク・イーストビレッジでの日本人移動者と場所形成に関するフィールドノートを「場所形成のエスノグラフィ」として呈示することで、日本人の「トランスナショナル・コミュニティ」研究の認識論とその都市社会学的意味を考察している。 本研究で筆者は、「場所形成」と「記憶の想像的利用」に注目して「トランスナショナル・コミュニティ」研究の意味を追究している。
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