移住第二世代の社会統合には母語・母文化の維持が一定の効果をもつ。文化的市民権とは、こうした点への政策対応を指す。オーストラリアでは州政府レベルで永住者・国籍保持者個人に対し、多言語教育の一環として財政支援が実施されている。カナダ・トロントでは保護者25名の申請にもとづき、継承語クラスの設置が認められている。施設は有償だが、クラスは無償で提供される。ニューヨークでは母語・母文化教育はボランティア団体等が実施しているが、母語維持は個人的努力によるものが中心である。文化的市民権は財政的支援のもとで現実的な効果を発揮するが、一定の限界がある。
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