研究課題/領域番号 |
25380704
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 明星大学 |
研究代表者 |
西村 純子 明星大学, 人文学部, 准教授 (90350280)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ワーク・ライフ・バランス / 女性 / 就業 |
研究概要 |
女性のワーク・ライフ・バランスに関する分析枠組みを検討するとともに、ポスト育児期に先立つ、育児期における就業の趨勢について、データ分析をおこなった。ワーク・ライフ・バランスを検討する理論的枠組みは、マクロ・メゾ・ミクロのレベルにわけることができる。マクロ・レベルでは、福祉国家類型論、グローバリゼーション論、メゾ・レベルでは、労働市場構造論やマルクス主義フェミニズムの理論、ミクロ・レベルではストレス論、人的資本論などを挙げることができる。先行研究を検討した結果、日本の女性のワーク・ライフ・バランスを検討するにあたっては、マクロ・メゾ・ミクロの重層的な視点からの分析が必要であること、そのために、個人のライフコースの軌跡や異なる社会との比較の視点を分析に取り込むことが必要であることが明らかになった。 また、ポスト育児期に先立つ育児期における就業の趨勢について検討したところ、第1子出産1年後の就業率は、1940年代生まれから1970年代生まれにかけて25~30%程度で推移し、正規雇用就業率は10~15%であることが明らかになった。また、女性の就業率が趨勢的に上昇するなかで、幼い子どもをもつ女性の就業率が増加しないのは、国際的に見ても特異であることも明らかになった。 以上のような研究成果を研究論文として発表するほか、国際学会等で発表し、国内外の多様な研究者らからコメントを得、さらなる研究の展開についての示唆を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該年度の中心的な課題であった、女性のワーク・ライフ・バランスに関する分析枠組みの検討については、その成果を研究論文としてまとめることができ、おおむね達成することができたため。
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今後の研究の推進方策 |
マクロ・ミクロ・メゾレベルの要因の重層的な相互連関を考慮しながら、また、育児期の女性の就業の趨勢をふまえたうえで、ポスト育児期における女性のワーク・ライフ・バランスに関して、就業キャリアのインパクトを検討していく。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初北開催される学会にて予定していた研究発表を、アジア地域に変更したため。また、統計分析用のソフトの更新を、今回は前回の更新からの期間が短かったために、無償でおこなうことができたため。 北米で開催される学会で研究発表および資料収集をおこなうとともに、データ分析をおこなうにあたっての文献収集、英語での成果発表のための英文校閲にあてる。
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