研究課題/領域番号 |
25380710
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研究機関 | 中京大学 |
研究代表者 |
松谷 満 中京大学, 現代社会学部, 准教授 (30398028)
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研究分担者 |
成 元哲 中京大学, 現代社会学部, 教授 (20319221)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 社会学 / 政治学 / 環境 / 市民意識 / ライフ・ポリティクス |
研究実績の概要 |
東日本大震災とそれに伴う福島原発事故は、被災地福島の市民意識と政治構造をどのように変化させるのか。本研究ではこの問いを有権者に対する質問紙調査、地元の政治家や団体への聞き取り調査によって明らかにするものである。 平成26年度は、有権者に対する質問紙調査の分析を行った。まず、単純集計、クロス集計の結果をまとめ、調査対象者向けの報告書を作成した。そのうえで、各種世論調査との比較分析を行い、政治不信や一般的信頼感などの項目において、対象地域の住民が他地域と比べて大きく異なることを明らかにした。さらに、福島市長選における投票行動の分析も行った。それによると、現職に対し新人候補が圧勝した背景は、比較的若い無党派層の投票参加というものではなく、比較的高齢のノン・エリート層が通常とは異なる投票行動をとったことに起因することが明らかになった。これらの分析結果については政治学会において報告した。 また、政治家や団体への聞き取り調査も継続的に実施している。調査の途中段階では、供給サイド(政治家)と需要サイド(有権者)のあいだには、その意識においてかなりの乖離があり、それが解消されていないことが示唆されている。供給サイドにおいては、原発事故前後で変化はほとんど生じていないが、需要サイドでは大きな変化が生じているためである。また、各種調査においては、住民の意識にもズレや分断が生じていることが示唆されており、こうした状況がいかなる帰結をもたらすのか、引き続き調査を続けていきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初計画では、聞き取り調査を進める予定であったが、日程上の都合等から計画よりもやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
遅れている聞き取り調査を計画的に進めるとともに、データ分析の結果を順次公表するよう努める。
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次年度使用額が生じた理由 |
聞き取り調査の予定があわず、旅費での使用が当初計画よりも少なくなったため。
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次年度使用額の使用計画 |
前年度予定分の聞き取り調査も含め、今年度の調査旅費として使用する。
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