アメリカのロスアンゼルス市では、21世紀に入ってから、市民憲章にもとづいた「ネイバーフッドカウンシル」の設置がおこなわれてきた。いまでは市内の全地域に見いだされるとともに、地域エンパワメント向上やマイノリティ住民の地域社会への包摂の機能を果たしていることが把握された。 日本でも、大都市内の地域住民組織の制度化が模索されている。名古屋市の「地域委員会」を「ネイバーフッドカウンシル」と比較した場合、地域福祉実践の視点を含んでいる点で異なっている一方、マイノリティ住民の包摂という視点は必ずしも見出せなかった。また、名古屋市の「地域委員会」は2回のモデル実施にとどまり、制度化に結びつかなかった。
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