研究課題/領域番号 |
25380712
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
菊池 恵介 同志社大学, グローバル・スタディーズ研究科, 准教授 (70536945)
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研究分担者 |
森 千香子 一橋大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 准教授 (10410755)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | レイシズム / EU / グローバル化 / 福祉国家 / 移民 |
研究概要 |
本年度は、分析対象の三ヶ国におけるレイシズムの基礎文献・資料・データを収集して、比較研究の基盤の準備を目指した。本年度は申請者らがこれまで行ってきたフランスに関する新たな文献・資料を収集すると同時に、比較対象となるイギリスとオランダについての基礎文献・資料の収集をすすめた。 本年度はまずフランスの現代レイシズムの専門家であり、またオランダ・イギリスの事情にも精通するピエール・テヴァニアン氏(レイシズム思想専門)を日本に招聘し、クローズドで複数回の研究会をおこなって専門的知識の提供を受けた。さらに研究ミーティングをおこない、三か国の比較研究に必要な理論的枠組みの構築をめざすとともに、データの提供を受けた。またテヴァニアン氏とは今後の現地調査についても議論を深め、詳細な計画を制定した。 後半は、文献・資料の収集の継続ならびに精読・整理を行った。またフランスのレイシズムの現状と背景について専門家(パリ8大学エリック・ファッサン教授、シルヴィ・ティソ教授、ナシラ・ゲニフ教授、パリ西大学アブデラリ・ハジャット教授、マルワン・モハメッド教授)に対して数回のヒアリングをおこなった。さらにパリならびにパリ郊外の反レイシズム団体、移民支援団体に対して、反レイシズムの取り組みの現状と課題について聞き取りを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の実施目標は①関連文献・資料の収集、②収集した資料の精読と整理、③現地調査の準備と実施、④アウトプットのためのHP制作であった.そのうち①と②に関しては予定通りに進んだ。しかも、テヴァニアン氏から集中的に専門知識の提供を受けたことで、予定していた以上に効率よく、思った以上の情報を集めることができた。ただし情報量が多かったことからその整理にも時間がかかった。そのため現地調査は予定の7割を実施するにとどまった。しかしながら当初の調査計画とのずれは限定的なものであり、研究計画の全体の流れに影響を与えるほどのものではない。以上のことから研究は概ね順調にすすんでいると判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、文献・資料・データの収集・分析を続行しつつ、二度目のフランス現地調査を行う。また年度末には海外研究協力者を招いて、研究の中間報告をかねたワークショップの日本開催を予定している。 前半は、①前年度の収集資料ならびに調査データの整理と分析作業、②夏の海外調査の準備、を主に行う。現地調査は8月末から二週間、パリおよびパリ郊外で実施する。前年度に引き続き、反レイシズム団体、移民支援団体、レイシズム被害の当事者などを対象に、反レイシズムの取り組みにもかかわらずレイシズムが蔓延する背景について聞き取りを実施する。また現地では主にオランダの現状について、当該領域を専門とする研究者から専門的知識の提供を受ける予定である。海外研究協力者と会議をもち、研究の進捗状況と今後の課題について報告し合う。
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度は予定を上回る量の関連文献・資料を収集することができたため、その精読・整理にも予定より大幅に時間がかかり、その影響で予定していた現地調査の一部を次年度に繰り越すことになった。そのため海外調査用の予算(旅費、人件費、ビデオカメラなどの必要機材購入費)も次年度に繰り越すこととなった。 平成26年度8月下旬から9月前半にかけて調査を実施して、繰り越し予算を執行する。
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