研究課題/領域番号 |
25380712
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
菊池 恵介 同志社大学, グローバル・スタディーズ研究科, 准教授 (70536945)
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研究分担者 |
森 千香子 一橋大学, 大学院法学研究科, 准教授 (10410755)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | レイシズム / 排外主義 / イスラムフォビア / 移民・難民 / ポピュリズム / 新自由主義 / 階層格差 / 福祉国家 |
研究実績の概要 |
本年度は、昨年度に引き続き、この三年間の研究の総括作業を進めた。 まず上半期は、これまでに収集した文献の精読を続けると同時に、社会調査の結果の整理と分析に取り組んだ。また、6月のイギリスの国民投票の結果を受けて、「EU離脱派」が勝利した原因の分析に力を注いだ。さらに8月にはカナダのモントリオール市で開催された「世界社会フォーラム」に研究代表者が参加し、北米を拠点とするレイシズム研究者との交流を深めた。また、モントリオールの帰路にアメリカで研究分担者と合流し、研究の打ち合わせを行うと同時に、エリス島の移民史博物館を見学したり、ニューヨークの黒人街、ユダヤ人街、中国人街、ロシア人街、アラブ人街など、多様な移民街でフィールドワークを行うことで、ヨーロッパとはまた異なるアメリカの多文化主義的状況について考える機会を得た。 下半期は、論文の執筆作業を進めると同時に、11月のアメリカ大統領選の結果を受けて、グローバル化するポピュリズムの検討に時間を割いた。とりわけ、ポピュリズム関連の文献を収集・精読すると同時に、2月にはフィリピンの政治学者で、オルター・グローバリゼーション運動のリーダーの一人であるウォールデン・ベロー氏を同志社大学に招聘し、「アメリカ、ヨーロッパ、日本における極右の台頭」と題するシンポジウムを開催した。 なお、研究分担者は、2016年3月末に『排除と抵抗の郊外――フランス〈移民〉集住地域の形成と変容』(東大出版会)と題する単著を公刊し、本年度、第33回渋沢・クローデル賞の特別賞、そして第16回大佛次郎論壇賞の二つの章を受賞するなど、特筆すべき成果を上げた。
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