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2016 年度 実績報告書

マンガ/コミックの「読者共同体」に関する日米比較による実証的アプローチ

研究課題

研究課題/領域番号 25380714
研究機関立命館大学

研究代表者

瓜生 吉則  立命館大学, 産業社会学部, 教授 (40513205)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワードマンガ/コミック / ファンカルチャー / 読者共同体 / 文化産業
研究実績の概要

日本とアメリカの「マンガ読者共同体」を実証的に比較検討する研究の最終年度として、平成28年度は、日本およびアメリカのマンガ/コミックの歴史や産業構造、さらにマンガ愛好者によるイベントの歴史について渉猟してきた文献・資料を整理し、平成25年度に調査・分析したアメリカのコミック事情との比較検討を進めた。8月および12月に東京・晴海で開催されたコミックマーケットへの視察旅行も過年度同様に行い、マンガ愛好者によるファンジン(同人誌)や、主催者であるコミックマーケット準備局が発行するパンフレット等を収集した。
「ファンカルチャー」と一言で言っても、日本とアメリカとではマンガ/コミックの表現が異なるだけでなく、それを読者が受け取る環境(出版や流通のありかた)も大きく異なっている。「読者共同体」のありようも、それに伴って大きく異なる。日本のコミックマーケットが、アマチュアによる「描く-読む」のフラットな関係性を前提に40年の歴史を紡いできたのに対し、アメリカのコミック・コンベンションが「有名人」の招待を企画の目玉として、イベントの場が作り手と受け手との距離を「縮める」場として機能してきた/いるのは、日米のマンガ/コミックをめぐる情報環境の違いの一端を象徴的に示す事例である。とはいえ、アメリカにおいてもアマチュアのコミック作成やファン同士の交流は(日本とは決して同じではないとはいえ)長い歴史を持っていることも事実である。20世紀に発展した「出版(プリント)」というメディア形態が「読者共同体」の編成にどう作用したのかについて、その一端を明らかにした本研究は、ネット時代となり、作り手と読者(消費者)との関係性が大きく変化しつつある現代社会の<趣味・嗜好の共同体>のあり方を検討する土台を提供することとなるであろう。

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公開日: 2018-01-16  

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