研究期間に締約国数が177に達した障害者権利条約の実施過程を明らかにし、その分析結果を迅速に国内外で社会的に還元することに努めた。実施過程を分析するために、この条約の国際的モニタリング機関である障害者権利委員会による建設的対話の傍聴を継続的に行った。重視したのは“Nothing About us without us”(私たち抜きで私たちのことを決めないで)という言葉で条約交渉中から繰り返され、条約に明記された障害者組織などの市民社会の参加である。委員会による事前質問事項作成や総括所見策定に関して、市民社会の障害者組織からの情報提供(パラレルレポート)の役割が非常に大きいことが明らかになった。
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