本年度は、平成26年度に実施できなかった量的調査に取り組んだ。量的調査においては、当初予定した権利者名簿の入手が困難であったことから、急きょ調査対象者を軍用地所在市町村の区長に変更し、意識調査実施に向けて調査対象に合致する質問紙になるように入念な検討を行った。そして夏季8月および最後の2月春季期間中において、名護市全域などの区長に対する意識調査を実施した。また、再開発関係アクターへの質的調査においては、新たな3名の連携研究者、研究協力者を加えた体制で、より密度の濃い補充調査を実施することができた。最終的に、これら質的調査をもとに1冊の「研究成果報告書 第2輯」(総ページ数104ページ)を発行することができた。 同時に、本調査で得られた知見の積極的な外部への公表を心掛けてきた。9月に行われた第88回日本社会学会大会(早稲田大学)においては、「自衛隊基地と沖縄の地域社会」(藤谷)の報告を、そして、10月に行われた国際学会13th Meeting of German-Japanese Society for Social Sciences(German Institute for Japanese Studies (DIJ))においては、“Role of the Local Governments in the Process of Overdevelopment of the US Military Base Sites in Okinawa”(難波)、“The History and the Present Situation of U.S. Military Bases in Okinawa”(南)の2報告を実施した。いずれもこの科研費を利用しての研究グループとしての報告とした。
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