グローバル化と少子高齢化により、性別分業型の世代関係は変化している。本研究では①親-成人子間の援助において「個人化」(夫・妻それぞれが自分の親との援助関係を優先する)がみられるか、②相続のあり方はどう変化したかについて分析した。①について、成人子から親への援助においては「個人化」と、女性が夫方・妻方両方の親に援助するパターンが並存していた。一方、親から成人子への援助においては「個人化」はみられず、女性が両方の親からの援助の受け取り口になるパターンがみられた。②については、相続における男女差は縮小しているが、不動産は男性、預貯金は女性の受け取りが多いなどの差は維持されていた。
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