研究課題/領域番号 |
25380722
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 桃山学院大学 |
研究代表者 |
清水 由文 桃山学院大学, 社会学部, 教授 (40132352)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | NAPP / アイルランド家族史 / アイルランドセンサス個票 / アメリカセンサス1880年 / イギリスセンサス1881年 / アイルランド農業構造 / アイルランド人口史 / 直系家族 |
研究概要 |
第1に、1901年と1911年におけるアイルランドの人口センサス個票のデータ(100%)をクリーニングすること、および新しい変数(例えば、世帯規模、世帯構成など)の入力することにより、アイルランド全体のセンサスのデータベース化を完成させることことができた。 第2に、ミネソタ大学、人口学研究センターで行われているNAPPプロジェクトからアメリカにおける1880年の100%の人口センサスデーター(5,000万人分)に新しい変数を構築して、本研究に利用可能なセンサスのデータベースの作成を完了させることができた。 第3に、同じくNAPPプロジェクトからイギリスの1881年センサスのデータベース(2,500万人分)を、本研究に利用可能なデータに作りなおす作業をすることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
第1に、アイルランドの人口センサス個票のデータベース化により、小規模農業地域であるメイヨー州、中規模農業地域であるクレア州、大規模農業地域であるミーズ州における1901年と1911年の世帯変数の分析をすることができた。また、首都であるダブリンの世帯の分析もほぼ同様に分析した。 第2に、アメリカの1880年のセンサスのデータベース(5,000万人)により、アメリカにおけるアイルランド移民の世帯分析することができた。 第3に、イングランド・ウェールズの1881年のセンサス(2,500万人)をデータにもとづいて、イングランド・ウェールズにおけるアイルランド人移民の世帯分析をすることができた。 以上の作業により、本研究の中核的な部分である20世紀初頭におけるアイルランド世帯の構造分析、19世紀末におけるアメリカ、イギリスにおけるアイルランド移民の世帯構造分析をほぼ完成させることができたことは、それは本研究の高い達成度を示すものといえる。
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今後の研究の推進方策 |
第1に、1901年と1911年におけるアイルランドのセンサスデータのリンケージ(データの連結)が必要であり、全データ(各年度400万人)のリンケージは現在のPCで不可能である。それゆえ、いくつかの州を抽出し、2年度分のリンケージのデータ作成により、世帯構造をダイナミックスに捉える作業をする。 第2に、現在地理学などでGIS(Geographic Information System)の手法でデータの地図化が盛んに行われており、本研究でも、1911年アイルランド・センサスの主要な世帯変数を、州単位でマッピングをする予定である。 第3に、研究計画にイギリスの1851年~1911年のセンサス原票のデータの入手および分析を行う予定であったが、現在未だそれらのデータが入手できていない。その理由として、人名、所属住所を排除したデータは入手可能であるものの、そのデータは、本研究の目的に不適合であり、そのデータを所蔵しているエセックス大学UKDATAと交渉する予定であり、そのデータにより、特にアイルランド人移民の多いリヴァプール市のデータ分析が可能になる。
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度における海外出張旅費には不足するので、次年度請求時に精算するため。 次年度の海外出張旅費として使用する。
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