本年度は、ニューヨーク市のコミュニティボートの韓人委員と福祉機能をもつ韓人系NGOのリーダーへの聞き取り調査を行った。その結果、①コミュニティボートの委員は、英語能力のある移民女性1世が多いこと、②コミュニティボート委員は、韓人系移民社会においてリーダー的な役割を果たしていることが確認できた。また、その意識においても、米国社会への適応するためのルートとしてコミュニティボートを捉えていることを知ることができた。③韓人会は、コミュニティボートとの連携関係を強めていることも指摘できる。一方、福祉機能をもつ中間組織はニューヨーク市と韓国母国からの支援を受けて、韓人社会家族を支える活動を行っていた。こうした調査結果を踏まえて、韓人移民社会は内部で解決できない生活問題・福祉問題をコミュニティボートやNGO組織を通じて、解決しようとする動きがあると指摘できる。
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