本研究は、国の強力なリーダーシップの下、北欧型の普遍主義的な福祉国家を形成したフィンランドが、その後、地方分権を進め、さらに、都市への人口集中、高齢化、自治体財源の減少といった変化を受けて、社会保障および自治体構造改革を進める過程に注目した。具体的には、フィンランド北部に位置する人口6万人のロヴァニエミ市、南西部沿岸沿いに位置する人口18万人のトゥルク市を取り上げ、農村的、都市的特徴を強く持つ各自治体が、市民参加の形態の違いを含め、自らの持つ資源の違いに応じてサービス提供を行っている現状を明らかにした。
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